『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』
[ 作 ] こまつあやこ
[ 出版社 ] 講談社
マレーシアからの帰国子女、沙弥は、日本の中学に順応しようと四苦八苦。ある日、延滞本の督促をしてまわる有名な三年生の「督促女王」から図書室に呼び出され、いっしょに「ギンコウ」に行くことに。それは「銀行」ではなく、短歌の「吟行」のことだった。短歌なんて詠んだことのない沙弥は戸惑うが、でたらめにマレーシア語を織り交ぜた短歌を詠んでみると…。2019年度中学入試最多出題作。
『月白青船山』
[ 作 ] 朽木 祥
[ 出版社 ] 岩波書店
夏休み、旅行の計画がふいになった兵吾と主税の兄弟は、鎌倉に住む大叔父さんのお屋敷に預けられることに。二人は地元の少女、静音と知り合って遊ぶようになるが、ある日、見知らぬ谷に迷い込んでしまい…。鎌倉の歴史と伝説が彩る、本格ファンタジー。公立高校入試出題。
『十四歳日和』
[ 作 ] 水野瑠見
[ 出版社 ] 講談社
本当の自分を探しに行く! 十四歳の一年間を瑞々しく描く、オムニバス。それぞれ悩みを抱える中、他者と向き合うことで本当の自分に気づいていきます。思春期の繊細な感情が、爽やかな心地よい文体で描かれていて、共感しながら読むことができます。中学入試、公立高校入試出題。
『クラスメイツ』
[ 作 ] 森 絵都
[ 出版社 ] 偕成社
森絵都さんが、直木賞受賞後はじめて描く中学生群像。中学1年生24人のクラスメイトたち、その1人1人を主人公にした24のストーリーで思春期の1年間を描いた連作短編集。子どもじゃないけど大人でもない、そんな特別な時間の中にいる中学生たちの1年間。だれもが身にしみるリアル。シリアスなのに笑えて、コミカルなのにしみじみとしたユーモアでくるんだ作品集。中学入試で過去多数出題。
『おとめの流儀。』
[ 作 ] 小嶋陽太郎
[ 出版社 ] ポプラ社
中学生になったさと子が入部したのは「なぎなた部」。部長の朝子さんから告げられた部の目標は、なぜか「剣道部を倒す」こと!? さと子にはもう一つ、中学生になったらやるべきことがあった。それはお父さんを探すこと。さと子の13年の人生をかけた闘いが始まる! 同作者による『ぼくのとなりにきみ』(ポプラ社)は2019年度中学入試頻出作品。
『ヨンケイ!!』
[ 作 ] 天沢夏月 [ 絵 ] Re°
[ 出版社 ] ポプラ社
慢性的な人数不足に悩む離島・大島の渚台高校陸上部に、奇跡的に男子4人のスプリンターが揃った。インターハイ予選を目前に控え、100×4リレー(四継)に挑むことになるが、メンバーの人間関係はサイアク。お互いが本音でぶつかり合ううちに、しだいにチームに変化が。4人のバトンが繋がるとき、感動に胸が熱くなる。高校入試で多数出題、必読の1冊です。
『そらのことばが降ってくる 保健室の俳句会』
[ 作 ] 高柳克弘 [ 絵 ] あやのあゆ
[ 出版社 ] ポプラ社
顔のホクロをからかわれて教室に行けなくなってしまったソラは、保健室で風変わりな同級生ハセオに会い、謎句(ナゾク)という俳句遊びに誘われる。ソラはどんどん、自由で深いその表現世界に魅せられていく。傷ついた自分の心と向き合ったソラが作った句は…。気鋭の俳人が描くさわやかな青春小説! 小学館児童出版文化賞。中学入試で出題。
『朔と新』
[ 作 ] いとうみく
[ 出版社 ] 講談社
事故で視力を失った兄は、走ることをやめた弟に告げる。「伴走者になってほしい」。かくして兄と弟は、一本のロープをにぎり、コースへと踏み出してゆく―。ブラインドマラソンは、兄弟の絆を再生するのか。物語文としては多くの中学入試で出題。いとうみくさんは、今後の入試でも出題が予想され必読です。
『水を縫う』
[ 作 ] 寺地はるな
[ 出版社 ] 集英社
松岡清澄、高校一年生。両親が離婚し、祖母と、市役所勤めの母と、結婚を控えた姉の水青との四人暮らし。学校で手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている清澄は、かわいいものや華やかな場が苦手な姉のため、ウェディングドレスを手作りすると宣言するが…。世の中の〈普通〉を踏み越えていく、清々しい家族小説。河合隼雄物語賞受賞。中学入試で多数出題。
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『櫓太鼓がきこえる』
[ 作 ] 鈴村ふみ
[ 出版社 ] 集英社
17歳の篤は高校を中退し、先の見えない毎日を過ごしていたが、相撲部屋に呼出見習いとして入門することに。兄弟子力士たちの焦りや葛藤を間近に感じながら、「呼出」という仕事に就いた自分の在り方を見つめ直していく。選考委員を唸らせた、知られざる角界の裏方「呼出」に光を当てる新しい相撲小説で、自分の世界を広げて見ましょう。第33回小説すばる新人賞受賞作。公立高校入試で多数出題。
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『透き通った風が吹いて』
[ 作 ] あさのあつこ
[ 出版社 ] 文藝春秋
野球部を引退したら、空っぽになってしまった渓哉。自分の道を決めた親友、そして地元に帰ってきて父親のあとを継いだ兄。モラトリアムの時期を迎えた高校生の焦燥、そして淡い恋を描く、心が澄み渡る青春小説。過去に高校入試で出題。読みやすく名作ぞろいのあさのあつこさんは入試頻出の作家さんです。
『風に恋う』
[ 作 ] 額賀 澪
[ 出版社 ] 文藝春秋
かつては全国大会連続金賞だったが、現在は見る影もない名門高校吹奏楽部に、黄金時代の部長がコーチとして戻ってきた。そして1年生の基を部長に任命し…。はたして全国大会への切符を手にすることはできるのか!? 青春小説の名手・額賀澪さんが紡ぎだすリアルで美しい言葉たちが部活動に青春をささげる中高生の胸に突き刺さる、涙腺決壊の王道青春エンタメ小説! 高校入試に出題。
『羊と鋼の森』
[ 作 ] 宮下奈都
[ 出版社 ] 文藝春秋
高校生の時、偶然ピアノ調律の世界に魅せられた外村。ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、人として成長していく青年の姿を、温かく静かな文章で綴った感動作。第13回本屋大賞、第4回ブランチブックアワード大賞2015など、数々の著名な文学賞を受賞。豪華キャストで映画化もされた話題の1冊! 中学入試・高校入試で多数出題。
『7.5グラムの奇跡』
[ 作 ] 砥上裕將
[ 出版社 ] 講談社
国家試験に合格し、視能訓練士の資格を手にしたにもかかわらず、野宮恭一の就職先は決まらなかった。後がない状態で面接を受けたのは、北見眼科医院という街の小さな眼科医院。
人の良い院長に拾われた恭一は、凄腕の視能訓練士・広瀬真織、マッチョな男性看護師・剛田剣、カメラが趣味の女性看護師・丘本真衣らと、視機能を守るために働きはじめる。
精緻な機能を持つ「目」を巡る、心温まる連作短編集。中学入試に出題。
『お探し物は図書室まで』
[ 著] 青山美智子
[ 出版社 ] ポプラ社
お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか? 悩める人々が立ち寄った小さな図書室。不愛想だけど聞き上手な司書さんが思いもよらない選書と可愛い付録で人生を後押しします。明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。公立高校入試で出題。
『大人になるっておもしろい?』
[ 作 ] 清水真砂子
[ 出版社 ] 岩波書店
自分を信じきれず、個性や〝らしさ〟を探しながらも一方で人と違わないことに心を砕く若者たち。大人になる直前のとまどいや悩みは尽きず、未来に希望を思い描くのも難しい。そんな10代に魂をゆさぶる数々の物語を通して、悩むこと、傷つくことを恐れず、もっと伸びやかに自由に生きようと呼びかける、青春の羅針盤となる一冊。過去中学入試・高校入試に出題。
『「空気」を読んでも従わない』
[ 作 ] 鴻上尚史
[ 出版社 ] 岩波書店
「個性」が大事というけれど、集団の中であまり目立つと浮いてしまう、他人の視線を気にしながら、本当の自分は抑えつけていかないと……。この社会はどうしてこんなに息苦しいのだろう。もっと自分らしく、伸び伸びと生きていきたい! 人気作家・劇作家、鴻上尚史さんからのとっておきのアドバイスは、心に響きます。複数の中学で出題。
『人は見た目!と言うけれど』
[ 作 ] 外川浩子
[ 出版社 ] 岩波書店
もし自分の顔に、目立つあざや傷あとがあったら…? そうした症状をもつ人たちが直面する、いじめや差別などの困難――。当事者と共に悩み、失敗をくり返しながら解決に取り組んできた作者のが、脱毛症、口唇口蓋裂、アルビノなど様々な症状の人たちの体験を伝え、周りの人はどう関係を築けばよいのかを考えます。
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『はじめての哲学』
[ 作 ] 藤田正勝
[ 出版社 ] 岩波書店
なんのために生きるのか? と考える自分とはなんだろう? 哲学の問いは、いつも私たちの日常の中から生まれてきました。「自己」「生と死」「真理」「実在」「言葉」……古代から現代まで、人間が考え挑み続けてきた根源的な問いの数々を、やさしい言葉で一から解きほぐします。中学入試ほか、複数の公立高校入試で出題。
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『AIの時代を生きる』
[ 作 ] 美馬のゆり
[ 出版社 ] 岩波書店
AIの存在感が増し、便利な暮らしへの期待や憧れが高まる一方で、仕事を奪われる不安に揺れる現代人。人とAIの未来はどうあるべきなのか。大学教授でもあり、多様な学術的背景をもつ美馬 のゆりさんが、AIの歴史、その仕組みを解説しつつ、両者にとってよりよい社会のつくり方、さらには一人一人ができることを、「創造力と共感力」をキーワードに語ります。
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『サル化する世界』
[ 作 ] 内田 樹
[ 出版社 ] 文藝春秋
「今さえよければ自分さえよければ、それでいい」――サル化が急速に進む社会でどう生きるか? AI時代の教育、高齢者問題、人口減少社会、貧困、日本を食いモノにするハゲタカ……モラルの底が抜けた時代に贈る、知的挑発の書。作者の内田樹さんは小林秀雄賞など、数々の受賞作を世に出している思想家。大学入試で出題。