『人は見た目!と言うけれど』
[ 作 ] 外川浩子
[ 出版社 ] 岩波書店
もし自分の顔に、目立つあざや傷あとがあったら…? そうした症状をもつ人たちが直面する、いじめや差別などの困難――。当事者と共に悩み、失敗をくり返しながら解決に取り組んできた作者が、脱毛症、口唇口蓋裂、アルビノなど様々な症状の人たちの体験を伝え、周りの人はどう関係を築けばよいのかを考えます。自分だったらどうするかイメージしながら感想文を書くと良いでしょう。
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『AIの時代を生きる』
[ 作 ] 美馬のゆり
[ 出版社 ] 岩波書店
AIの存在感が増し、便利な暮らしへの期待や憧れが高まる一方で、仕事を奪われる不安に揺れる現代人。人とAIの未来はどうあるべきなのか。大学教授でもあり、多様な学術的背景をもつ美馬のゆりさんが、AIの歴史、その仕組みを解説しつつ、両者にとってよりよい社会のつくり方、さらには一人一人ができることを、「創造力と共感力」をキーワードに語ります。AIが普通に存在する日々を生きる高校生に、おすすめの1冊。
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『大人になるっておもしろい?』
[ 作 ] 清水真砂子
[ 出版社 ] 岩波書店
自分を信じきれず、個性や〝らしさ〟を探しながらも一方で人と違わないことに心を砕く若者たち。大人になる直前のとまどいや悩みは尽きず、未来に希望を思い描くのも難しい。そんな10代に魂をゆさぶる数々の物語を通して、悩むこと、傷つくことを恐れず、もっと伸びやかに自由に生きようと呼びかける、青春の羅針盤となる一冊。作者の清水真砂子さんはU・K・ル=グウィン『ゲド戦記』(日本翻訳文化賞受賞)の訳者としても有名です。
『「空気」を読んでも従わない』
[ 作 ] 鴻上尚史
[ 出版社 ] 岩波書店
「個性」が大事というけれど、集団の中であまり目立つと浮いてしまう、他人の視線を気にしながら、本当の自分は抑えつけていかないと……。この社会はどうしてこんなに息苦しいのだろう。もっと自分らしく、伸び伸びと生きていきたい! 人気作家・劇作家、鴻上尚史さんからのとっておきのアドバイスは、心に響きます。
『はじめての哲学』
[ 作 ] 藤田正勝
[ 出版社 ] 岩波書店
なんのために生きるのか? と考える自分とはなんだろう? 哲学の問いは、いつも私たちの日常の中から生まれてきました。「自己」「生と死」「真理」「実在」「言葉」……古代から現代まで、人間が考え挑み続けてきた根源的な問いの数々を、やさしい言葉で一から解きほぐします。予備知識不要の哲学入門書は、夏休みの読書に最適です。
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『サル化する世界』
[ 作 ] 内田 樹
[ 出版社 ] 文藝春秋
「今さえよければ自分さえよければ、それでいい」――サル化が急速に進む社会でどう生きるか? AI時代の教育、高齢者問題、人口減少社会、貧困、日本を食いモノにするハゲタカ……モラルの底が抜けた時代に贈る、知的挑発の書。作者の内田樹さんは小林秀雄賞など、数々の受賞作を世に出している思想家。長期休みだからこそ、読み応えのある本を。
『マララ 教育のために立ち上がり、世界を変えた少女』
[ 作 ] マララ・ユスフザイ パトリシア・マコーミック
[ 訳 ] 道傳愛子
[ 出版社 ] 岩崎書店
女の子が学校に通う権利を訴え、武装勢力タリバンに襲撃され重症を負ったマララ・ユスフザイさん。いまイギリスで暮らす彼女が若い読者に語りかけます。幼いころの思い出、家族のこと、タリバンの侵攻、命をかけて訴えてきた「女の子が学校に通う権利」、襲撃を受けた「あの日」のこと、そして故郷から遠く離れて暮らす現在。信念を持ち続ける同世代のマララさんにだれもが心を揺さぶられることでしょう。2014年ノーベル平和賞受賞!
『屋上のウインドノーツ』
[ 作 ] 額賀 澪
[ 出版社 ] 文藝春秋
吹奏楽にかけた青春物語。松本清張賞受賞作――引っ込み思案の志音は、屋上で吹奏楽部の部長・大志と出会い、人と共に演奏する喜びを知る。圧倒的熱さで駆け抜ける青春の物語。決して小さくはない過去の傷や挫折を抱えながら、懸命に吹奏楽に打ち込む少女と少年の奮闘の姿が爽やかに描かれています。部活に打ち込んでいる人におすすめです。
『境界のポラリス』
[ 作 ] 中島 空
[ 出版社 ] 講談社
恵子は中国生まれ日本育ちの高校生。ある日、バイト先のコンビニでマナーの悪い客にからまれているところを、大学院で中国文学を学ぶ幸太郎に助けられる。自身のアイデンティティに悩む主人公と、国籍を超えた感動的な友情を通し、素直な気持ちで感想を書くことができるでしょう。異文化交流の難しさと大切さを伝える、第61回講談社児童文学新人賞佳作入選作品。
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『櫓太鼓がきこえる』
[ 作 ] 鈴村ふみ
[ 出版社 ] 集英社
7歳の篤は高校を中退し、先の見えない毎日を過ごしていたが、相撲部屋に呼出見習いとして入門することに。兄弟子力士たちの焦りや葛藤を間近に感じながら、「呼出」という仕事に就いた自分の在り方を見つめ直していく。知られざる角界の裏方「呼出」に光を当てる新しい相撲小説で、自分の世界を広げて見ましょう。第33回小説すばる新人賞受賞作。
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『羊と鋼の森』
[ 作 ] 宮下奈都
[ 出版社 ] 文藝春秋
高校生の時、偶然ピアノ調律の世界に魅せられた外村。ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、人として成長していく青年の姿を、温かく静かな文章で綴った感動作。第13回本屋大賞、第4回ブランチブックアワード大賞2015など、数々の著名な文学賞を受賞。豪華キャストで映画化もされた話題の1冊は、映像を思い出すと感想文も書きやすいでしょう。
『線は、僕を描く』
[ 作 ] 砥上裕將
[ 出版社 ] 講談社
「できることが目的じゃないよ。やってみることが目的なんだ」 家族を失い真っ白い悲しみのなかにいた青山霜介は、バイト先の展示会場で面白い老人と出会う。その人こそ水墨画の巨匠・篠田湖山だった。まったくの素人の霜介は、困惑しながらも水墨の道へ踏み出すことになる。映画化でも話題の第59回メフィスト賞ほか数々の賞を受賞した心温まる水墨画小説。
『コンビニ人間』
[ 作 ] 村田沙耶香
[ 出版社 ] 文藝春秋
36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる。ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。「普通」とは何か? 現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作! 世界各国でベストセラーの話題の書は、感想文にもおすすめです。